2011年1月28日金曜日

画角とストーリー


自分の中に流行のようなものがあって、気に入った画角を見つけると一時多用することがあります。
今まで、こんな感じのシーンを撮る時には縦の絵で撮ることが多かったのですが、一度横で撮ってよい絵が撮れると何度も挑戦したくなります。
前にアップした写真で似たようなものがありますが、前回はシャンパン、今回のものは白ワインです。
会場は、別です。

話は変わりますが、先日、後輩のカメラマンに「こういう写真が撮りたいけど、どうしたらよいか?」という質問を受けました。
非常にあいまいな質問なので、答えようと思うとたくさん話すことがあるのですが、とりあえず
①どのグラスを狙うか決めておくこと
②そのグラスをどの方向からどんな風に撮るか決めておくこと
上記2点について簡略に話ました。
それを意識していれば、とりあえずこんな感じのカットを撮ってくることができます。

でも、なぜこのシーンを撮るのか?その部分の方が重要な気がします。
グラスにお酒をつぐシーンの写真。
これは、たいていのパーティーで目にする光景です。
僕も始めた当初は、とにかくいろんな人(先輩カメラマンたち)が撮ってくるから、撮っていました。

でも、だんだん疑問に思うようになります。
これは、必要か?きれいだから撮るのか?どこからどんな風に撮るのが良いか?などなど・・・

僕が最初に所属していた事務所のカメラマンたちもたいていシャンパンのシーンは撮っていました。
でもワインのシーンまでは撮ってきませんでした。
撮り方は、人それぞれです。
撮る方向も切り取り方もレンズのチョイスもうまいもへたも・・・
ちゃんと考えていれば、もしくは撮っているものに理由があれば、何でもあり!だと思います。
考えられていなければ、誰が撮っても同じものになってしまいます。

僕はこのシーンには、いろんな意味があると思います。
まず誰の視線を基準にして撮るのか?
そしてそのシーンがなにを象徴しているのか?

僕は、壜の口を覗き込むような角度で撮ることが多いのですが、これは注がれているお客さんの視線なのです。
お客さんが見た風景に近いものを再現することで、なんとなく当日の臨場感を(無意識にでも)思い出してもらえたらうれしいなと思っています。
そしてこのシーンが何を象徴しているのか?
シャンパンであれば、パーティーのオープニングを
白ワインであれば、主賓の堅苦しい挨拶も終わって、本当に祝宴が始り、ゲストの食事、会話がスタートするシーンを象徴しているかもしれません。
赤ワインであれば、食事の終盤、ゲストも程よく酔っ払っている時間帯を象徴しているかもしれません。

パーティーの雰囲気を表現するのにお二人だけを追っかけていては、つまらないと考えています。
いろんな要素が集まって、その日のお二人のパーティーがあるはずです。
お酒を注ぐシーンだって、僕も必ず撮るシーンではありません。
でもそこに何かストーリーをこめられるのであれば、撮っておきたいなと思います。

一枚一枚の写真に何かしらのストーリー、意味をこめて撮影することが大切だと思っています。

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